April 10, 2010

なぜニコ動なのか、なぜTwitterなのかが分かる『サイバービア 〜電脳郊外が “あなた”を変える』 (ジェイムス ハーキン)

「サイバービアとは、わたしたちが電子情報の連続したループを通じで他人とやりとりしてばかりいると訪れることになる場所だ」。

そもそもwebは膨大な情報を蓄えるのに適した仕組みなんだけど、巨大なアクセスを集めるサイトの多くはコミュニティあるいはコミュニティ機能を持ったサイトである。例えば、2chであり、かつては私も関係したGeoCitiesのような個人サイトやブログである。最近で言えば、ニコニコ動画、Facebook、mixi、そしてTwitterであろう。
なぜそういうことになるかを本書はシンプルに教えてくれる。

「人々がどうしてもサイバービアに戻りたいと願うのは、すでに信号を送っていて、相手からの信号をもらうことでこのループを閉じ、さらにフィードバックを帰したいと切望するからだ」

10年前、GeoCitiesで面白いと思ったことを思い出した。個人サイトに一番アクセスしているのはそのオーナーであった。個人サイトにはゲストブックやチャットを取り付けることができるようになっていて、ただし今のような書き込みアラートのような機能は充実してなかったから、アクセスして自分のサイトへの書き込みを確認せざるをえなかった。そこで、頻繁に自分のサイトを確かめていたのだ。
その後、コミュニティ系のサービスの機能は発展している。メールやメッセンジャーや、さらにはSMSやスマートフォンによって、webのサービスであってもよりリアルタイムでフィードバックできるようになっている。

コミュニケーションのフィードバックループに浸るのは人間として中毒性のあるものなんだろう。
それが人類史において危険なのか、あるいは人類の発展に役立って行くのか。
これまで自分としては後者だと確信していたのだが、この本を読んで、前者もありえると漠然とだが心配になっている。


"サイバービア 〜電脳郊外が“あなた”を変える" (ジェイムス ハーキン)

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September 26, 2009

成功しているwebサービスはクラウドソーシングに類するものであろう

ハヤカワ新書の『クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす』(ジェフ ハウ)はとても参考になる本であった。
クラウドソーシングとは、「群衆の知恵で大きな物事を解決しようとしている」活動の場だけど、その種類は多岐にわたる。本書ではオンラインのTシャツ屋から写真ストック、あるいはSETIまで例として取り上げられている。自分なりにこの類いに含んでいいと感じているのは、携帯小説、クチコミサイト、あるいはオークションだ。細分化した情報単位で見れば対したこと無い、あるいは一見役に立たないものばかりだけど、全体のムーブメントは世の中に影響を与えるほどの価値を見いだされている。今後のwebサービスもこの方向が必須になるのではなかろうか、クラウドソーシングのエッセンスが入ってないwebサービスは役立つものだったとしても主役にはなり得ないような気がする。


"クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす (ハヤカワ新書juice)" (ジェフ ハウ)



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