December 27, 2008

グラミー賞候補のポップ2曲に注目

2009年2月8日に受賞者が発表されるグラミー賞のノミネートがちょっと前に公開されている。Codplayの『Viva La Vida』が数部門で候補になっているのはiTunesのCMのおかげでもあろうし、曲やアルバムも悪くないので順当であろう。
そんなところで私が好きな2曲がしっかり入っていたのでうれしくなったのでご紹介。
1曲目は、Best Male Pop Vocal Performanceのノミネートに入った、ジェームズ・テーラーの『Wichita Lineman』だ。ここのところお気に入りの歌手である彼が、ジミー・ウェブの名曲をカバーしているので、この曲が入ったアルバム『Covers』をこの曲を聞きたいがために買おうか買うまいかずっと迷っているのだ。そんな60年代を代表する歌手と作曲家の組み合わせなのでアメリカでも注目されないわけが無いのかもしれない。
2曲目は、Best Pop Performance By A Duo Or Group With Vocalsのノミネートに入った、イーグルスの『Waiting In The Weeds』。1年ほど前に発売された久々のエーグルスのアルバム『Long Road Out Of Eden』の中の1曲だ。この2枚組CDの中で一番いい曲がこれだと思っていた。理由は、説明しにくいけどイーグルらしさ、それからドン・ヘンリーが高音域をがんばって歌い所、ドン・ヘンリーのシャウト、インディアンの曲のようなビート、哀愁かな。




"Covers" (James Taylor)






"Long Road Out of Eden" (The Eagles)

December 13, 2008

『マーブル・アーチの風』(コニー・ウィリス)

コニー・ウィリスの中編短編集。コニー・ウィリスは『ドゥームズデイ・ブック』『犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』というオックスフォード大学史学部のタイムトラベルものが最も有名なんだけど、ハードじゃないSFは女性作家らしくてとてもいい。アメリカでは評価が高いようだ。
『マーブル・アーチの風』は中編短編の一編なんだけど、私としてはいまいちだった。
一番面白かったのは、人気があったのにハリウッド女優を辞めてしまった美貌のキルディと、その仕事のボスであるロブといういかがわしい超能力者のトリックや汚いビジネスを明らかにす雑誌を発行する暴露家業の前にあらわれたチャネラーとの対決の話である『インサイダー疑惑』だ。やらせだと思っていたそのチャネラーが実は…。キルディがパートナーになったのは実は…。ネタが面白いし、二人のコンビもいいので続編を期待したい。
その他にも、周りの人々が優しくなって、帽子をみんなかぶってたりしてなんかおかしいので宇宙人に乗っ取られたんだと信じ込んで奔走するSFコメディの『ニュースレター』や、未来でクリスマスを演出する家業を営む企業の担当者のラブストーリー?である『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』もおすすめだ。
『ドゥームズデイ・ブック』のシリーズ続編も執筆中らしいコニー・ウィリスには大注目。




"マーブル・アーチの風(プラチナ・ファンタジイ) (プラチナ・ファンタジィ)" (コニー・ウィリス)

December 03, 2008

映画『卒業』の続編小説

日本で1968年に公開された映画『卒業』は、そのあまりにも印象的なラストシーンが有名だろう。迷える青年を演じたダスティン・ホフマンは、この映画でスターになって行ったように思う。サイモン&ガーファンクルの『ミセス・ロビンソン』は、この映画を象徴する名曲だけど、そのミセス・ロビンソンを演じたアン・バンクロフトは妖艶に美しく、その娘であるキャサリン・ロスもまた美しかった。
ベンジャミンとエレインは手を取り合ってバスに乗り込み、最後部に座り、笑顔で映画は終わる。でもその笑顔が将来を何か暗示しているかのようでもあって気になっていた。映画は好きだし、最後の結末に対して二人に拍手を送りたいが、結婚生活はうまくいかないだろうなあと想像していた。
たぶん映画を見た多くの人が彼らの将来を知りたがっていたはずだが、この小説『「卒業」Part2』(チャールズ・ウェッブ)が長年の疑問に応えてくれる。あの映画から11年。二人は結婚して東海岸に移り住んでいる。男の子二人の両親であるが、子供たちは学校に通わせず自宅で教育している。原題は『HOME SCHOOL』。読み終えてみるとこの原題の方が小説のタイトルとしてぴったりだということが分かる。子供を正規の学校に通わせようとさせる教育委員会との争いから話は展開して行くが、映画のラストシーンでとんでもないことをしでかしたベンジャミンなので、今回もとんでも無い作戦がさらに波紋を広げて行くのである。
読み終えて、この小説は面白いと思った。映画の続編になるようなストーリーではないけど、どこにでもいそうだけどちょっと風変わりな登場人物たち(ミセス・ロビンソンも)が織りなす会話、話のやり取りがとても面白い。




"「卒業」Part2" (チャールズ・ウェッブ)

December 01, 2008

『探索者』(ジャック・マクデヴィッド)

今から1万年くらい後の人類が銀河系の各所に広がって行っている世界で、骨董品を見つけてきてオークションで売り払うビジネスをしている社長の男と、その片腕の女性が主人公であるSF小説だ。このコンビはまるでシャーロック・ホームズとワトソンのように、事実を調べ推理して探索して行く。舞台設定ははるか未来だけれど、ストーリー展開はオーソドックスかと思う。オーソドックスだから物語にすんなりと引き込まれて行き一気に読んでしまった。シリーズ3作目のようなので、他の2作品も気になる。おすすめ。




"探索者 (海外SFノヴェルズ)" (ジャック・マクデヴィッド)

BMW 2009年モデルの1シリーズ、3シリーズから新しくなったiDriveの音楽機能

評判が芳しくなかったBMWの純正ナビiDriveが2009年モデルの1シリーズと、3シリーズから刷新された。(BMWプレスリリース)新しくなったばかりなので、ディーラーも詳細を把握していないようだし、ネットを調べても、少なくとも日本語での情報はあまりない。
特に「この新型ナビゲーション・システムはミュージック・サーバーの機能もあわせもっており、CDチェンジャーの容量をはるかに超え、ハードディスクに音楽CD約220枚分を保存することができます。」というミュージック・サーバー機能というのは期待大だった。ここで気になっていたのは、iTunesに慣れ親しんでいる身として読み込ませたCDのタイトルや曲名が自動で表示されないかということだ。でもiDriveはインターネットにつながっているわけではないので、CDの情報とCDのデータベースの照合はできないはずなのであきらめていた。
とこがやってみると表示してくれるのでびっくり。英語で情報を調べてみると、GRACENOTEというデータベースが入っていることが分かった。加えて同じ情報源によれば、データベースの更新もディーラーでやってもらえそう(The Gracenote database can also be updated during a workshop visit.)なので、ますますうれしい。ちなみに、2009年モデルの早い段階の出荷分と思われるものには、2008年6月に発売された『Viva la Vida』(Coldplay)はデータベースに入っていなかった。