『ボーン・アルティメイタム』は傑作だ
元CIAの暗殺者ジェイソン・ボーンのシリーズ第3作。『ボーン・アイデンティティー』はいまいちなんだけど、第2作『ボーン・スプレマシー』は、すばらしいできだった。その感想でも書いたけど、ポール・グリーングラスの力量なんだろうなと思う。最新作もこの監督なので期待度大だったが、期待は裏切られなかった。すごいの一言。何がすごいかと言えば、息も付かせないようなスピーディーな展開が雪崩のように起こっていくが、実に自然だ。血圧高いのに興奮してしまった。前作もそうだけど、カメラワークが臨場感を高めている。前作で気がついたので、ついついそこに目がいってしまったが、室内でマット・デイモンを写していても、細かくカメラを揺らせていて、まるで緊急生中継という感じなのだ。そして、今回のカーチェイスもまたいい。実はここで前回との共通点にいくつか気がついた。1) 普通の車が高級SUVに乗った敵の暗殺者とカーチェイスを繰り広げる、2) 最後は中央分離帯への激突で決着がつく。ただし、今回中央分離帯へ激突するのはジェイソン・ボーンの方なので、前作を見た人はひやっとするわけだ。
さて、マット・デイモンはシリーズの続編への意欲があると報じられていた。ニッキーとの関係がほのめかされただけだったし、最後はニッキーのシーンで終わるので、第4作への橋渡しはできるんじゃないかな。そのときは、またこの監督でやってほしい。