いなかの町は商店街が廃れ、若者はクルマで数十分かけて買い物に行くようになっている。商店街を歩いてもまばらにしか開いてない店舗に町自体が賑わいをなくしたようにも見えてしまう。
ところが、ちょっとした変化が起こり始めている。
10年ほど前、町営病院が建て直され立派になった。地方の小さな町なので、老人は多いから、病院は必要なのだ。老人の人口に占める率は高いし、病院に通う老人は多い。よって町営病院は最も人の集まる場所になっている。
そして、人の集まる病院の周りに店ができはじめた。町でたぶん唯一のコンビにができ、ふぁファミレスができ、そしてホームセンターとドラッグストアもオープンした。
老齢化が進んでくると、病院が生活の中心になってくるところも多いだろう。
夏の高校野球大会に出場し、2回戦に勝ち進んだ福島県代表の聖光学院は、私が幼稚園から高校卒業までの期間住んでいた福島県伊達郡伊達町にある。
当時聖光学院の隣だったS戸君の家には何度も遊びにいったが、遊びのついでに聖光学院の構内にも入っていた。聖光学院のグラウンド、ライト方向に家が建っていたので、よくボールが飛んできて、瓦が割れるという話も聞いていた。
聖光学院の文化祭に遊びにいったこともある。お化け屋敷に入ったり、工業科で製作して販売していた文鎮を買った。当時はそこそこ野球が強かったが、一時名前を聞かなくなった。最近また強くなったようだ。
さて、そのS戸君が、実家に帰省した際に隣から移転した聖光学院のグラウンドに行ってきたらしい。
なかなか良い学校になっているようだ。
またまたコニー・ウィリスの本を読んだ。最近読んだ2作には批判的だったが、この作家は楽しめる。
『ドゥームズデイ・ブック』の姉妹作で、歴史研究の一環でタイムトラベルを行う未来のオックスフォード大学史学部の学生が主人公だ。『ドゥームズデイ・ブック』がとてもシリアスな物語になっているのと比べると、この作品はコメディと言っていい。特徴的なキャラクターの傍役たちに加え、猫のプリンセス・アージュマンド(名はプリンセスだけど雄なのね)やブルドックのシリルが愛着わく存在になっている。
コニー・ウィリスはプロットよりストーリーテリングがうまいと前回思ったが、今回さらに確信した。本の主題である大きなプロットは(膨大なページ数に比すれば)たいしたこと無いけど、1ページ1ページ読み進すませる細かい話の展開は天下一品だ。
オックスフォード大学史学部の長編をまた執筆中らしいので、次回作も期待したい。