August 01, 2004

『犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 』(コニー・ウィリス)

またまたコニー・ウィリスの本を読んだ。最近読んだ2作には批判的だったが、この作家は楽しめる。

『ドゥームズデイ・ブック』の姉妹作で、歴史研究の一環でタイムトラベルを行う未来のオックスフォード大学史学部の学生が主人公だ。『ドゥームズデイ・ブック』がとてもシリアスな物語になっているのと比べると、この作品はコメディと言っていい。特徴的なキャラクターの傍役たちに加え、猫のプリンセス・アージュマンド(名はプリンセスだけど雄なのね)やブルドックのシリルが愛着わく存在になっている。
コニー・ウィリスはプロットよりストーリーテリングがうまいと前回思ったが、今回さらに確信した。本の主題である大きなプロットは(膨大なページ数に比すれば)たいしたこと無いけど、1ページ1ページ読み進すませる細かい話の展開は天下一品だ。
オックスフォード大学史学部の長編をまた執筆中らしいので、次回作も期待したい。


『犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 』(コニー・ウィリス)

Posted by nino at August 1, 2004 09:15 AM | トラックバック
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