June 12, 2004

厚生労働省の出生率隠蔽

1人の女性が生涯に生む子供の数(合計特殊出生率)が、1.29と前年の1.32を大きく下回ったニュースに関して、昨日の日経新聞の解説が注目された。厚生労働省は毎年この数字を発表しているが、今年は例年よりも遅かったというのだ。これは明らかに年金改革法案の審議に関係している。
読売新聞も次のように伝えている。


厚労省は、今回、合計特殊出生率の実績値の公表に難色を示してきた。年金改革関連法成立を目前に控えた6月3日の参院厚生労働委員会では、民主党の山本孝史氏が「昨年の合計特殊出生率は1.29ぐらいに下がっているはずだ」と詰め寄った。2002年の人口動態統計は昨年6月5日に発表されたからだ。山本氏は「国会審議が止まり、法案を採決できなくなるのを恐れて、情報を隠したのではないか」と見ている。

国民皆年金なわけだから、全国民に影響する問題だ。この数字が審議中に出ていれば、年金改革関連法案の成立もかわっていただろう。直接事故で死亡者を出した三菱自動車のリコール隠し。隠すという行為ではダークさは厚生労働省を許せない。

小泉首相が勤務実績がないのに厚生年金に加入したことへの開き直りといい、完全に野党を無視した参院厚生労働委員会での採決といい。強引さには怖くなる。
政体循環史観によれば、僭主政・寡頭政・衆愚政が循環し、「次第に市民は政治に興味を失い、周りに流されて深く考えなくなる大衆政治…すなわち衆愚政に堕ちる。ここで、変革を起こす英雄が登場し、人々は喝采のうちにこれを王とし王政が始まる。」(憲法改正)日本は衆愚政から、今小泉首相によって僭主政に踏み出しているのではないだろうか。小泉首相のプロパガンダには注意しなければならない。

Posted by nino at June 12, 2004 04:16 PM | トラックバック
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