『スマートモブズ』
『スマートモブズ』を読んだ。
第6章までの286ページは読まなくていいんじゃないだろうか。つまらない、役に立たない、と感じた。
その後の100ページでも響いてくることはごくわずかだった。
スマートモブズには、主体の頭ではなく状況のダイナミックスから導きだされる、それ以外の未知の特質もあるのかもしれない。ゴフマンのいう「相互行為秩序」ー複雑な言語的および非言語的なコミュニケーションが個人の間でリアルタイムで交換される社会領域ーとは、まさしく個人の行為が群衆の行為の閾値に影響を与えうる領域なのである。モバイルなメディアは、相互行為秩序の中で起きるインフォーマルでほとんどは無意識に行われる情報交換を増強する、もしくはそうした交換の対象者の規模や位置に影響を与えることができる結果、集合行為の閾値を変えてしまう可能性がある。
ちょうど読んでいた時期、佐賀銀行の取り付け騒ぎが起こったが、これはメールでデマが短時間で広まったせいだったらしい。『スマートモブズ』の、事例としてぴったりだ。この本はその金額の値打ちは感じられなかったが、引用したメッセージには賛同できる。さらにITと人間の行動が連動していくであろうし、それは今更避けることはできないであろう。
スマートモブズ―“群がる”モバイル族の挑戦
ハワード・ラインゴールド
Posted by nino at January 5, 2004 10:44 PM
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