『コモンズ』(ローレンス・レッシグ)を読んで
『コモンズ』(ローレンス・レッシグ)を読み終わった。感慨深いところは、下記のところだ。
哲学的にいえば、もしウェブがユニバーサルなリソースとなるのであれば、それは無制限に育つことができなければならなかった。技術的には、もし何か中央集権化したコントロール地点を持っていたら、それはすぐにボトルネックになってウェブの成長を制約し、ウェブがスケールアップすることはないだろう。ウェブを「コントロールから外す」こと(「コントロールを効かなくすること」)が非常に重要だった。
(ただし、これはティム・バーナーズ・リーが述べたこと。)
インターネットがとても格安で便利に使えている陰には、ほとんどの企業に利益をもたらしていないという実情があると思う。なぜこうなるのかということへの回答として私は納得した。インターネットは、最下層のプロトコル、つまりいわばDNAから、制約されない、独占できないような性格をもつからなのであろう。
このフリーなコードはコモンズを作る。このコモンズは、今度はイノベーションのコストを下げる。新しいプロジェクトが、この共通コードを利用して作られる。すべてのプロジェクトが車輪を発明しなおす必要はない。こうしてリソースは、他には存在しえなかった幅広いイノベーションをもたらす。
そう理解した上で、オープンで、フリーなところを足がかりにしてインターネット上のサービスやビジネスは作っていくべきなのだ。DNAに背くような行動をとってもうまくいかないんじゃないかな。
ところで、ローレンス・レッシグが来日するらしい。楽しみです。
コモンズ
ローレンス・レッシグ
Posted by nino at November 13, 2003 12:19 AM
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