『マーブル・アーチの風』(コニー・ウィリス)
コニー・ウィリスの中編短編集。コニー・ウィリスは『ドゥームズデイ・ブック』、『犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎』というオックスフォード大学史学部のタイムトラベルものが最も有名なんだけど、ハードじゃないSFは女性作家らしくてとてもいい。アメリカでは評価が高いようだ。
『マーブル・アーチの風』は中編短編の一編なんだけど、私としてはいまいちだった。
一番面白かったのは、人気があったのにハリウッド女優を辞めてしまった美貌のキルディと、その仕事のボスであるロブといういかがわしい超能力者のトリックや汚いビジネスを明らかにす雑誌を発行する暴露家業の前にあらわれたチャネラーとの対決の話である『インサイダー疑惑』だ。やらせだと思っていたそのチャネラーが実は…。キルディがパートナーになったのは実は…。ネタが面白いし、二人のコンビもいいので続編を期待したい。
その他にも、周りの人々が優しくなって、帽子をみんなかぶってたりしてなんかおかしいので宇宙人に乗っ取られたんだと信じ込んで奔走するSFコメディの『ニュースレター』や、未来でクリスマスを演出する家業を営む企業の担当者のラブストーリー?である『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』もおすすめだ。
『ドゥームズデイ・ブック』のシリーズ続編も執筆中らしいコニー・ウィリスには大注目。
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