『宇宙を復号する―量子情報理論が解読する、宇宙という驚くべき暗号』(チャー ルズ・サイフェ)
著者がサイエンス・ライターなので難解な式など無しで一般の人間でも分かりやすいように、かつ興味を持たせるように書いているので読みやすい。宇宙や量子論、ひも理論あるいは平行宇宙等の関係する最近の研究テーマについて一通り触れられているので、この種の本が初めての人に適しているかと思う。
さて、この本を読み終わって宇宙の存在理由がなんとなく自分の中でまとまりはじめた。量子の世界では“重ね合わせ”という現象があり、事実はそれを観測することによって固定される。原因と結果という因果関係は確率によって決まる世界なのだ。原因と結果は結びついてない。我々が使う、普段使う「偶然」は冷静に考えれば全て起こるべくして起こっているはずなのだが、量子論を組み入れれば、まさに偶然が起こりえることになる。もし、このようなことが無かったとしたら、宇宙は同じ初期状態からは同じ結末を迎えてしまうので、宇宙の創造主にとってみれば実につまらないことであろう。偶然の連鎖が予想だにもしない展開と結末へ向かっている方が興味をそそられるはずだ。なんだか、もしかしたらそういうことなんじゃないかと思ってきた。
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