『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』(リサ・ランドール)
邦題をそのままで受け取ると、宇宙はワープスピードで移動してるのか?なんてえことを考えてしまうけどそうではない。目を引きたいあまりに付けられた題名じゃないかと出版社の悪意を感じてしまう。英語の題は『Warped Passages』で、「ワープ」は「歪曲した」と文中では使われているので、「歪んだ宇宙」というような意味になる。
著者はどちらかというと“ひも理論”を支持していないが、ひも理論がこの宇宙は10次元あるいは11次元だという考えに触発されて、自分が抱えていた問題が次元が多いことによって解決されることに気がついた。宇宙の中に存在する5つの力の中で、なぜ重力だけが弱いのかという謎は、次元を超えるグラビトンという素粒子によって説明できるというのである。
分厚い本を読み進むのは苦痛だが、この本のほとんどはアインシュタインの相対性理論やひも理論のおさらいに割かれているので、同じような本をいくつも読んでいる人はかなり呼び飛ばしてしまってもいいかと思う。
今秋、大型の素粒子加速器が稼働するのでグラビトンの発見は間近かもしれない。見つかれば、宇宙には我々の気がつかないところに余剰次元が存在していることも証明されることになるそうだ。
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