『暗殺のアルゴリズム』(ロバート・ラドラム)
すでに亡くなっているロバート・ラドラムの新作が出版されるとは思ってなかった。(まだ翻訳されていない遺作は数作あるらしい)
『暗殺者』(映画日本語タイトル『ボーン・アイデンティティ』)シリーズの3作目が映画化されアメリカで公開されたが、人気を得て好調のようである。この『暗殺のアルゴリズム』も殺人も軽々とこなしてしまうスパイものなので、読み進めばあたかも映画を見ているようにヴィジュアルなイメージが頭に浮かんでくる。これでもかというほどの斬新なアイデアや、世界の各地を飛び回るストーリー展開は、ロバート・ラドラムならではだろう。訳者のあとがきで書かれているように人物の内面描写には乏しいが、エンターテインメントの小説なんだから質が低いというような思いは起こらない。次にはどんな展開が待ち受けているのかという期待で、一気に読み進めてしまった。そして最後に待ち受ける“からくり”は予想だにしない結末だった。
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