幸せってなんだっけ?
昨晩のNHK「プレミアムテン - 春節!上海巨大バスターミナル」はとても感慨深げな番組だった。
2年前、上海に誕生したアジア最大のバスターミナル。48か所のゲートから放射線状に中国全土へ向かうのは名物二段ベッドの寝台バス。 春節(旧正月)を迎え、背丈を超える風呂敷を背負った人々が続々集まります。さまざまな事情から家族と離れ、上海へ集まった人々が一年ぶりに故郷へと帰ります。最長で3日がかりの旅。
バスターミナルに集う人々を故郷ではどのような人が待っているのか?上海に出てきた目的は何だったのか?
春節の前にこのバスターミナルではついに一日5万7千人の乗客を2,000台のバスで送り出すというすさまじい状況になっていたが、それはサブストーリーでしかない。そこで映し出される人間像がすばらしかった。
バスに乗り遅れた兄弟若夫婦2組は大金で切符を買い直さなければならなかった。同じく乗り遅れた初老の女性は、文字が読めないので切符に書いてることも分からないが、見かねた若い男性が手助けをしてくれた。一年間働いたのに給料をもらえない4人組の男性は、やっと切符代だけは払ってもらい故郷へと向かうが、すでに満足な食事をするお金もない。
赤ちゃんを連れた若夫婦は、二人で運べるくらいの家財道具一式とともに、これから次の働き先に向かうところだった。妻は、自分たちの学の無さを嘆いていたが、悲壮感は無い。とても幸せそうだ。夫は自分の子供が将来人の役に立つ人間になってくれることを望んでいて、お金持ちになるようなことは全く期待してないようだ。
朝強盗にあって一年間に働いてためたお金を盗まれた初老の男性の言葉が心を打つ。「人生に順風満帆なんてない。人は良くなろうと思うから生き続けられるんだ。」首にナイフをつきつけられた直後には見えない。前向きな正確が映像からにじみ出ている。
バスターミナルの前のラーメン屋で成功した主人は、上海の発展の貢献者はこういう人たちなんだという。共産主義の中国は、いまや日本よりも金持ちが多い国になっている。貧富の差は想像を絶する状態だが、貧しくても前向きで幸せそうな様子を見ていると、お金じゃないんだなあと今更ながら感じさせられる。
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